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特別栽培農産物って何?りんご栽培での特徴。減農薬栽培との違いなど

特別栽培農産物とは

 

定義

農林水産省のホームページ「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」によれば、

その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。

 

とあります。

 

簡単に解釈すると農薬や化学肥料を半分以下にすることで特別栽培と言えるようですが、ここで「地域の慣行レベル」というワードがあります。農産物の農薬の基準は地域ごとに違うのです。

何となく国が統一して管理していて、基準が決まっていそうなイメージを持っていましたが、いかがでしょうか。

 

ちなみに長野県のりんごでは、さらに地域が(下伊那、諏訪・上伊那、佐久・中信、長野・北信)4つに分けられていて、早生種と中晩生種に分かれています。

例えば、ここ飯綱町のサンふじだと慣行レベルの農薬使用回数の合計が35回(内殺菌剤17回、殺虫剤15回、除草剤3回)となっています。

特別栽培の基準にするためには、合計が35回の半分の17回までにする必要があります。

 

munappleでは、この農薬使用回数を所属する生産者グループが作成する「防除暦」という年間の防除計画に基づいて遵守するとともに、化学肥料を使用しないことで特別栽培基準としています。

 

どこが認証する?

特別栽培農産物は、不特定多数に対して「特別栽培〇〇」のように表示して販売する場合には、上記の農林水産省が定めるガイドラインに従う必要があるのですが、国として認証する制度ではないようです。都道府県単位で、ガイドラインに準拠して独自に認証制度を設けたりもしているのですが、全くない自治体もあるようです。長野県では「信州の環境にやさしい農産物制度」があります。

基準は特別栽培と同様になり、毎年必要な申請書を提出することにより認証マークを使用することができます。

 

減農薬栽培との違いは?

似た言葉に「減農薬栽培」があります。

結論から言うと、現在ではこの「減農薬」と表示して農産物を販売することは禁止されています。

過去「減農薬」として農産物が販売されることがありましたが、何に対してどのくらい削減されているかなどの基準が明確ではなく、消費者の混乱を招くとのことで、平成15年のガイドライン改正に伴い、表示が規制されました。特別栽培は意味合いとしては減農薬に含まれますが、国のガイドラインにより基準が明確にされたものと言えます。

 

 

なぜ特別栽培の必要があるのか?慣行栽培ではだめなの?

目的

特別農産物生産の原則として、

「農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学合成された農薬及び肥料の使用を低
減することを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させるとともに、
農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培方法を採用して生産するこ
と」

と定められています。

この原則から、そもそもの目的は環境負荷を減らして持続的な農業を実現するための手段だと考えられます。特別栽培基準にして農薬を減らすことで安全を実現することではないようです。結果はさておき、本来の目的は「環境保全」なのです。

 

慣行栽培ではだめなの

農薬には農薬使用基準(適用作物、使用量又は濃度、使用時期、使用回数)が定められています。

慣行栽培とは、この農薬使用基準を守って地域ごとに定める農薬使用回数以内で防除することです。この時点で厚生労働省が定める農薬ごとに定められている農薬残留基準値以内となっていますので、健康への影響はなく危険はないとされています。

 

特別栽培の畑。課題は?

使用できる回数に合わせて毎年「防除暦」という防除の年間計画をたてています。

農薬には残効期間という、およそ薬が効く期間が農薬ごとに決まっています。

病気や害虫は時期によって発生しますので、これに合わせて残効期間を計算しながら、

防除暦を作成します。防除で重要な要素としては天気があります。

病気の感染は降雨によって、葉が濡れているときに起こりますので、防除は雨の前に行うことが基本です。

そして薬剤は雨に流れると残効が短くなっていきます。

予め使用できる回数が慣行栽培に比べて制限されていますので、防除したいけどできないことが

起こりやすくなります。

だから「特別栽培」基準の場合は、慣行栽培に比べて、常に畑の病害虫の発生状況に目を光らせ、

天気をチェックして、できるだけ防除回数を節減できるように、最良の防除タイミングを見計らう

必要があります。

 

まとめ

農産物を栽培するうえで防除はとても重要な要素です。減農薬、無農薬は食の安全、環境の保全にとって魅力的ではありますが、簡単に実現できることではありません。いったん病気に感染することで、害虫の繁殖をゆるすことで、収穫がままならないほど致命的な状況になることもあります。また近隣の他の畑に迷惑をかけてしまうこともあり得ます。だから新米りんご農家としては、りんごのこと、病害虫のこと、薬剤のことについて、今後もしっかり勉強をしたうえで特別栽培基準での、りんごつくりにこだわっていきたいと思います。

 

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